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それまではお互い桐朋短大ピアノ科で連弾することになった同級生といった感じの距離の真智子と絵梨だったが、その日、一緒に練習したのを境に一気に心の距離が縮まった気がしたふたりだった。
—真智子は家に帰るとさっそくメッセージでその日の練習のことを慎一に報告した。
―今日の練習、順調だったよ―
すると間もなくして、慎一からも返信が入っていた。
―それは良かった。こっちも引っ越しの日取りも決まったし、順調だよ。父が押さえてくれていた物件に入居できることになってね。真智子も予定が空いていたら、今度の日曜日に一緒に見に行かない?
―そうだね。今度の日曜日は予定、空いてるから都合、つけられると思う。どんな部屋か楽しみだね―
―じゃあ、日曜日に練馬駅に九時で待ち合わせようか。まだ、叔父に真智子のこと紹介してなかったし、その日、紹介するよ―
―叔父様に?なんだか緊張するけど、楽しみにしてるね―
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