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真部幸人の案内で軽食がとれる喫茶店に入りテーブルを囲み席につき、メニューを注文した後、さっそく幸人が話題を切り出した。
「真智子さんは慎一君と一緒に暮らすことになったんだってね」
「はい。つい先日そういうことになって……」
「慎一君はついこの間、ハンガリーから帰ってきたばかりで、まだ学生なのに焦りすぎだと思わないかい?真智子さん?」
「確かにそうかもしれないですが、慎一さんの身体のことも心配だし、私は慎一さんと一緒にいれるようになるのは嬉しいです」
「そう、それならいいけど、ふたりとも私よりずっと若いからさ。それに仕事柄、いろいろなケースで相談を受けたりしているからね。まあ、仕事のことは具体的なことは内緒だけど、ふたりとも何かあったら、いつでも相談に乗るからね」
「叔父さんのお陰で、今度入ることになった防音設備付きのマンションにもすぐに入れることになったんだ」
「そうなんですね。ありがとうございます。慎一、マンションが早く決まってよかったね」
「うん、叔父さんには昔からお世話になりっぱなしなんだ。叔父さんのお陰でこっちに来れたし、住むところで悩まずに済んで、音楽の道を追及できたからね」
「慎一君とは昔からの付き合いだからね。まだ、幼かった頃の慎一君のことも私はよく知ってるし、慎一君のピアノも昔からよく聞いていたよ。お母さんの由紀子さんや美津さんのこともよく知っててね。高校卒業までは一緒に暮らしていたからね」
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