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その、ちょっとばかり剣呑な雰囲気にイリューリアは王太子様は私がルークのお嫁さんになるのは反対なのかしら…と不安になった。
しゅんとしたイリューリアに王太子妃のリゼラが気づき、アクルス王太子の頭をなんと!げんこつで殴った。
「ぐあっ!痛っ!な、何するんだ」とアクルスは殴られた頭をおさえた。
「おだまりなさいませ!イリューリア様が、しゅんとなさってますわ!」とリゼラが夫であるアクルスを睨み付けた。
「「「えっ!」」」と、皆が慌てる。
イリューリアも慌てた!
(お!お!お!王太子殿下を殴った!?しかも、ぐーパンチで?えええええ~?)という感じである。
しかも、王太子アクルスは、別に妻を怒るでもなく、普通に弁解している。
(え?え?え?これって普通の会話なのですか???)とイリューリアは、ぷちパニックである。
「アクルス兄上、イリューリア様とルーク兄上のご結婚、反対なのですか?」と末の王子ピシェが心配そうに尋ねる。
「いや!いやいやいや!別にイリューリア嬢が気に入らないとかそういうのじゃないから!ルークってば、こんな美少女みつけちゃって、悔しいな~いいな~っていうだけだからっ!」と、王太子が、慌てていうと、王妃や国王までリゼラの味方をして王太子を「この馬鹿」とか、「愚息め」とか、けなし始めた。
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