001.いざ、ラフィリルへ (イリューリアの回想

4/4
前へ
/36ページ
次へ
 お父様は、デュロノワル一味の後始末や、マルガリータやローディ王子の処遇、将軍の抜けた後の後任の手配等、緊急を要する様々な諸問題で、今回の挨拶に一緒に行くことはままなりませんが、これは仕方ない事でしょう。  一番、残念に思っていて可哀想なのはお父様なのですから。  お父様は、目に涙をうかべながらルークに何度も娘を頼むと言っていました。  今からこれでは、結婚式の日には、涙で目が落っこちてしまうのではないかと心配になるくらいです。(ふふっ)  そして、王城で、デルアータの国王様王妃様、宰相であるお父様にご挨拶を終えると、私とルーク、マーサとルルー、ルミアーナお姉様にダルタス将軍と子供達は王の間の中央に立たちました。  そして、お姉様が「リュート、帰るわよ」と呟くと瞬間、お姉様の月の石から、精霊のリュート様が現れ、まばゆい光を放たれました。  そして、再び目を開けた時にはラフィリルのルミアーナお姉さまのお屋敷のお庭でした。  初めての魔法による転移体験!  興奮してしまいました!  わくわくどきどき、興奮して今晩は眠れそうにもありません。  ルークと、出会ってからというもの毎日が夢のようで、夢ならどうか覚めないでと祈る私です。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

503人が本棚に入れています
本棚に追加