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002.ようこそラフィリルへ-01
ラフィリルに着いた翌日、ルークの心にささっていた気がかりも解消し、ルークとイリューリア、そしてラフィリアード公爵家の一行は、王城に帰国の挨拶に出向くことにした。
ルークとイリューリアは婚約の報告である。
そしてまた、ラフィリアード家の庭から王城の庭へと転移である。
今回はルークの魔法で転移である。
ルークがパチンと指をならすと眩しい銀の光に皆が包まれた.
イリューリアが、眩しさに目を閉じ、次に目を開けた時には、全く別の景色が広がっていた。
それは、ラフィリル王国の王城の奥、色とりどりの花に溢れた美しい庭園だった。
「まぁ…なんて美しい」
「王城の一番奥の庭だからね。さぁ、王の間に行こう」
「えっ?先ぶれは?まず、どなたかを介さなくても宜しいのですか?」とイリューリアが不思議そうに尋ねると、ルークは、ふっと笑った。
「大丈夫だよ。デルアータや他の国はどうあれラフィリルは大国の割に、そのへん庶民的というか何というか国王も王妃も大らかだから」
「そ、そうなのですか?大国ですから、てっきりデルアータより厳しいものかと…」
そんな心配をしているとイリューリアの袖をリミアが、つんつんと引っ張った。
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