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「りみと、じーんで、おーひしゃまと、おうしゃまに、るーくといりゅおねーしゃまが、きたの、さきに、いって、おしえてきたげる~!」
「うん、じーんも、りみといってくりゅ~」
まだ三歳の幼いリミアとジーンが、拙いながらにもキラキラした笑顔でそういうと、母ルミアーナは笑顔で頭をなでた。
「まぁ、おりこうね~、じゃあ、リミア、ジーン、そうしてくれる?王の謁見の間まで行きますって伝えてね?」
「「はい、おかあしゃま」」というと、リミアとジーンは、ぱっと姿を消した。
「「「ええっ!」」」イリューリアとマーサとルルーが、驚きの声をあげる。
「あの子たち、この国でいる時は普通に瞬間転移使ってるからね。気にしないで」とルミアーナが笑う。
「「「まぁ」」」
「あんまり、転移ばっかりだと、筋力が弱っちゃうし、知らない人間が見たら驚いちゃうからお城の中と家の中以外はすべて、禁じてるんだけどね?僕たちは、ゆっくり歩きながら行こうか」とルークが言う。
「は、はい」
どうやら、ラフィリルの王様と王妃様は、おおらかで優しい方々のようでほっとした。
公爵家の子供達とはいえ、臣下の子供がいきなり子供だけで現れても、咎めたりはしないようであることに、イリューリアは嬉しく思った。
城の中は広く、王の間までの回廊は長かった。
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