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004.ようこそラフィリルへ-03
その夜は、王家の身内だけの晩餐会が行われた。
王と王妃、王太子アクルスとその妃リゼラ、そしてまだ七歳の第三王子ピシェ王子と、ルークとイリューリアという面々である。
まだ七歳のピシェ王子は生まれつき体が弱かったが、最近になって、ようやく体調の良い時は皆との晩餐に顔をだせるようになってきていた。
王家の晩餐といっても普段は、ばらばらである。
王太子は王太子宮にリゼラと共に住んでいるし、ピシェ王子は、体調が良いとき以外は自室で食事をとっている。
「今日は僕や、イリューリアの為に皆が集まってくれて嬉しい。ありがとう」ルークが言うと皆が笑顔でイリューリアを見た。
簡単に皆の紹介をした後は、給仕以外の召使いも下がらせ、家族だけの語らいである。
自然と口調もざっくばらんな家族だけの口調になる。
「まさか、黒魔石の流出調査にいって嫁を見つけてくるとは!いや、しかしめでたい!でかしたぞ!ルーク」と国王は、ご機嫌である。
「いや、しかし、何てことだ!ほんとにルミアーナ夫人によく似ている!」とアクルス王太子が何か忌々しそうにルークをみて呟く。
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