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「それに俺は第三で、留守番が多いから遠征とかも不参加多いし。今の仕事が好きだし、自分の事をしっかりしてるって分かってるけれど、なんか……やっぱりズレてるんですよね」
「分かるよ」
卑屈になる。華やかな奴等の影に隠れるように生きるのは、辛抱が必要だ。もしくは自分だけが出来るという自負が必要だ。それを、見つけられない。
だからといって大人しく誰かに従う性格ではない。妙にプライドが高くて、反発して、自分だって出来るんだという見栄がある。それが余計に、自分の首を絞めているのも知っているのに。
「キア先輩でも、そんな気分になりますか?」
「なるさ。俺の周囲もキラキラしすぎている」
「ウルバス様達と同期、なんでしたっけ?」
「あぁ」
ちびりと、酒でもないのに飲みながら答えている。
思った事もあった。もしもあいつらと同期じゃなかったら、何か変わっただろうかと。結果、やはり同じだと思えた。
きっと同期の中で突出した奴等を見て、勝手に劣等感を煽られただろう。
「結局、自分の気持ち次第なんだろう。仕事はちゃんとしていて、評価もされている。それに満足していればいいのに、認めてやれないんだ」
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