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翌日は安息日で、教会には綺麗なドレスを着た妹とその相手がいた。
幸せそうに笑って、うれし涙を流して喜んでくれて、とても綺麗で……
よかった。きっと幸せになれる。この手を離れて、君は笑っていられるんだ。
流れた涙は、うれし涙だったと思いたい。胸に響いた痛みは、ほんの少し寂しいだけなんだ。
その夜、帰ってきたキアランを宿舎入り口でトレヴァーが待っていた。心配そうにしているその顔を見たら、胸の奥に押し込めていたものが溢れ出すようで苦しくて、たまらなく情けない顔をしていた。
「おかえりなさい、キア先輩」
気遣うような穏やかな笑みは、色んな感情を包むようで温かかった。
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