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【R18】恋の始め方?(キアラン)
妹の結婚式以降、キアランはトレヴァーに自分の事をより話すようになっていた。そして、会う回数も少しずつ多くなっていった。
とは言っても夕食や風呂を終えてからの一時間程度の事だ。
そしてトレヴァーがいない日は、他の同期とも話すようになっていった。
「それにしてもキアラン、ちょっと雰囲気変わったよね」
隣でチビチビと酒を飲みながら、ウェインがしみじみとそんな事を言う。側にはオリヴァーもいて、納得するように頷いた。
「そんなつもりはない」
「そのつっけんどんな感じは以前からですが、確かに少し壁が薄くなりましたよ」
「……」
オリヴァーにもそんな風に言われてしまうと、そうなのかと思ってしまう。
なにより、少しだけ自覚もあるのだ。トレヴァーと話すようになって、前ほど他人が苦手ではなくなった。以前は「心の中では自分の事を笑っているんじゃ」という猜疑心がどこかにあったのだが、それがなくなっている気がする。
「今の方が絶対、いいよね」
「そうですね」
嬉しそうにウェインが、同意するようにオリヴァーが頷いて、キアランを見る。その目には言葉以外の感情は見えなかった。
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