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では、この関係はなんと名前をつければいいんだ?
キアランのそんな様子を見てか、ウェインとオリヴァーは顔を見合わせ、落ち着いた様子で声を落とした。
「まだ、分かんない?」
ウェインの言葉に、キアランは素直に頷いた。正直、分からない。もしかしたらこのまま友人のように終わるのかもしれない。でも、変わるかもしれない。自分は、どちらを願っているのだろうか。
「キアランは、どうしたいのですか?」
「どう、と言われても……」
「恋人欲しいとか、その人ともっと親しくなりたいとか」
「親しくは、なってみたい。俺の話を嫌がらずに聞いてくれるし、あいつも話をしてくれる。それが、心地いい」
「じゃあ、触ってみたいとかないの?」
「さわ!」
すぐに口を押さえたが、心臓はバクバクしている。触りたい……のか?
考えても実感がない。これまで誰かに触れたいとか、触れられたいとか思った事がない。
だから、想像してみた。力強い手だった。自分にはない逞しい体だ。触れられて、嫌な感じはなかった。性的な意味ではなくても、触れた手は温かくてどこかホッとした。
「分からない。ただ……嫌じゃない」
「どこまで行ったんですか?」
「一緒に飲んで、妹の話をして、愚痴ったり……部屋に呼ぶこともたまに」
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