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周囲の幸せを妬んで焦っているだけなら、トレヴァーを巻き込んではいけない。そう、理性が働く。それではまるで、欲しい物をねだる子供と同じだ。そんな恋愛、不毛だ。
オリヴァーとウェインが顔を見合わせ、よしよしとキアランの背中を撫でる。子供扱いに睨むと、二人は困ったように笑った。
「では、試してみては?」
「え?」
「自分の気持ちと、相手の気持ちを。相手にその気があるなら、貴方だってやぶさかではないのでしょ?」
「それは……」
「貴方だって決まってしまった方が安定しますよ」
「でも、どうやって……」
「簡単です。誘惑してみるのですよ」
「ゆ……」
誘惑だと!!
唇に人差し指を押し当てた蠱惑の瞳を見せるオリヴァーを見て、キアランはとんでもない地雷を踏んだ気分だった。
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