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コン、コン、
控えめに、金槌を打ち付ける。
コン、コン
お。なんかいけそうだ。
金槌、わりといいアイディアだったな。
もう少し、力を強める。
「本当にやってる。」
「当たり前だわ。ちゃんと崩したら食うから。」
「普通に食べればいいのにー。」
「この塊のまま食べれるかっての。」
「まぁいいけど..。気をつけてね。」
「え? なにが? 」
「色々。割るのとか。」
「ん? あぁ。気をつけてるけど。」
ゴン、ゴン、ゴン、ゴン、
チョコからこんな音するか?普通。
ゴトっ。
音が変わって、真ん中から岩石..チョコが、6個くらいの欠片に割れる。
うん。このくらいの大きさなら、口に入れて舐められないこともない。
「....ん? 」
チョコの真ん中。
なんだか白い物体。
「....は? なにこれ。」
紙?
「陽菜さん。異物混入してますけど。」
紙のようなものが埋め込まれたチョコの欠片を手に取って、周りのチョコを更に金槌で砕いていく。
うん。紙だ。作ってる時に気づかなかったのか?
でもその紙は、異物混入にしては綺麗に畳まれていた。
もしかして、意図的?
小さくなったチョコを払いながら、俺は紙を開く。
「え....。」
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