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「ん……御馳走様」
兄は満足そうに濡れた唇を舐めると、私の頭を優しく撫でた。
「今から仕事行ってくるから、いい子に待っているんだよ」
「うん」
「何か欲しいものはある?」
「ないよ」
「そっか、行ってくるね」
ちゅ
額に触れるだけのキス。
兄が部屋から出ていくと、私は長く息を吐き出し、ベッドに横になった。
こうやって、ただただ天井を見つめるようになったのは、いつからだっけ。
こんな歪な生活が始まったのは、
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