天井

5/9
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「お待たせ。今日はリツの好きなリコッタチーズのパンケーキを焼いたよ」 ふわりと甘く芳ばしい匂いが鼻をくすぶった。 身体を起こすと、兄がパンケーキを乗せた皿を手に立っていた。 兄がベッドに腰掛けると、またぎしりとスプリングが軋み、沈んだ。 「口を開けて」 一口サイズに切られたパンケーキが口の中に入る。 「美味しい?」 「うん、美味しい」 そう一言言うと、兄は満足したように頬を緩めた。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!