七月二十四日

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七月二十四日

高校は今日から夏休みに入り、教室という名の窒息空間に身を置かなくても良くなった。 高校から一歩踏み出した僕の心は、草原を吹き抜ける風のように空き渡った。 あんまりにも気分が良いもんだから、帰り道のコンビニでアイスを買った。 当たりだった。 もしかすると、服役した受刑者が娑婆に出るときも、同じ気持ちなのかもしれない。 しかし今日からひたすら自分の『死』だけを考えるのが、受刑者と僕とで違う点である。 また、僕にとって娑婆の空気とは遥か地上のことであり、いま立っているこの世は抜け出せない監獄のようなものだ。 残り(今日を含めず)二十三日。 着実にXデイに近付いている。
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