二章 恋愛相談

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「うん、きりいいとこまでやったし、ちょっと用事あって」 「そうなんだ、お疲れ」 「お疲れ様」 私は足早に山下の横を通り過ぎていった。 どうしても、隆成と話がしたい。 その衝動に駆られて、私は「ファレノプシス」へと向かった。 ファレノプシス周辺は静かだった。 喫茶店はあるけれど、もうしまっているところばかりで、ファレノプシスだけが、唯一灯りがついていた。 「間に合った」 私は小走りで店をのぞくも、さすがに店内は誰もいなかった。それでも、店の中へ静かに入っていくと、ドアのベルが鳴り、奥から 「いらっしゃいませ」 という、隆成の声が聞こえた。
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