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今更だけど、自分の行動を一番理解できてきないのは、私自身だった。
二人きりになれたのに、恋愛って何を相談したいかも決まっていないのだから。
「そういえば、名前、聞いてもいいかな?」
「えっ、名前…白石衣織です」
「衣織ちゃんね。それで、何に悩んでるの?」
隆成の初期的な質問に、緊張が少しほぐれた。
素直に言ってみよう。私は、恋愛がイマイチわからないことを。
「実は、恋愛がよくわからなくて…みんなが言うみたいに、ときめきて、嫉妬してある程度はしてるつもりです。でも、別れても尾を引かなすぎると言うか、本当に相手を好きだったのかと、自分を疑ったりしてしまうんです」
そんな、私の相談に、隆成は一瞬表情を曇らせたことを私は見逃さなかった。
「そうなんだ…でも、それ、僕に聞くのは残念かもしれないな」
「ざんねん?」
そういって、隆成は笑って誤魔化すように、
「高校のとき、付き合ってた彼女が死んだんだ。それから、僕もよくわからなくなってさ」
死んだ…
私は、衝撃をうけて、茫然と隆成を見つめていた。
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