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私は逡巡しながら、若菜に話すことにした。
「実はさ、この前もう一回ちゃんと自分に合うブレスレットにしてもらいたくて、お店に行ったんだよね」
「そうだったんだ、じゃあ、まだこないわけだね。どんな感じにしたの?」
どんな感じかと聞かれると、最後に結局おまかせにしてしまったため何も思い浮かばなかった。
「私さ、恋愛がイマイチというか、感情が自分でもあっさりすぎて、本当に誰かを好きになったかわからなくて、だからちゃんと誰かを好きになりたいんだよね」
私の真剣な悩みを、若菜は始め驚いた表情をしていたが、次第に真剣な顔になった。
「そうだったんだね。確かに衣織ってクールだなって思ってたけど、それが衣織だって私もどこか納得してた。でも、そんなこと悩んでいたなんて分からなかったな」
「なんかさ、若菜はちゃんと相手のこと好きで、相手も思ってくれてて、喧嘩してもちゃんと歩み寄れてて、いいなって、いつも思ってたんだよ。でも、私は相手に合わせようと努力はする。けど、努力しすぎて、自分を見失って、なんか違うって思って冷めるっていう繰り返しなんだよね」
世間でいう、同じタイプとばかり気づいたら付き合っていた。それではダメだって、雑誌でもよく見かけている恋愛パターンしかできていないのだ。
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