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私の言葉に、若菜は大袈裟に深くうなづいた。
「本当に衣織って、みててもなんでそんなに?ってくらい、合わせるもんね。確かに自分のワガママも受け入れなさいよってくらいの気持ちで付き合った方が楽だし、長続きすると思う」
「だよね、でも、面倒になって、諦めて付き合って冷めていくんだよ。そこまで詳しく話してないけどさ、店長さんに聞いてみたんだよね。どうしたら人をちゃんと好きになれるのかって」
若菜は今度は興味津々の輝いた眼差しで私を見る。
「店長と話したんだ、それで?なんて?」
「えっと…」
一瞬、言葉を詰まらせたが、正直に話すことにした。
「大切な人を喪った経験されてるみたいでさ、自分もわからないっていわれたの」
「死んじゃったってこと?気の毒だね。でも、恋愛の気持ちわからなくても、恋の願い叶うってよく口コミあるのに、やっぱり本人の願いは叶わないのかな」
本人の願い…
隆成はまだ、なくなった彼女の面影を探しているのだろうか。
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