一章 パワーストーン店

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私たちは、仕事が終わると、そのままパワーストーンのお店へと向かった。 その店は、レトロな佇まいで、洋館チックな外観だった。フランスでよくありそうな、お洒落な看板には「ファレノプシス」と書かれていた。 「可愛いお店だね。これだけでもテンションあがる」 若菜も店の雰囲気を気に入ったらしく、私の肩を揺さぶりながら言った。 「本当、私もこの雰囲気好き。でも、なんか狭そうだけど人多いね」 外から覗くと、店は混雑しているようだ。 それも、女子学生や私たちのような仕事帰りの女性、ほぼカップルじゃない限り、女の客しかいなそうだった。 「衣織、私たちも中にはいろ」 「そうだね」 店に入ると、直ぐにバインダーに紙が挟まっていて、記入しながら店内を回るシステムらしく、みな、それを持って、店内の石をみながら念入りに情報を読みながら記入していた。
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