一章 パワーストーン店

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「店長、聞きたいことあるんですけど」 少し離れたところから、女子高生グループが隆成を呼ぶ。隆成もなれたように、 「いらっしゃい。何をお探しですか?」 と、笑顔で行ってしまった。 なんだか、虚無感に襲われて私は適当に選んで、記入した紙をレジ横のボックスにいれると、若菜のところへ行った。 「衣織、もう書けたの?」 「だって、これといって願いなんてないし」 「そう?もうちょっと待っててね」 私は不貞腐れた言い方してしまったことを、言った後で気づいた。若菜も、そんな私の不可解な態度を不思議そうに見ながらも、記入を続けた。
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