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◇
教室に流れる時間の、一分一秒がこんなにも長く感じた日はない。
私はまた独りになった。
ピラミッドから真っ逆さまに落ちてしまったのだ。
自業自得かもしれない。
それでも自分で掴んだ幸せが、壊れていくところを見たくなかった。
独りになりたくない。
独りになりたくない。
独りになりたくない。
誰か私に話しかけてほしい。
誰か私に手を差し伸べてほしい。
誰か私にぬくもりを与えてほしい。
その一心で、メッセージアプリを起動する。
虚しくも友達一覧には、高校からの友達しかいなかった。
そしてその友達は今、もう友達ではない。
誰も頼りにできる人はいない。
彼以外は。
誰でも良かった。
藁にもすがる思いで、彼にメッセージを送信した。
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