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「それはそうと、ひなのインスタ昨日、初めて見たんだけど、フォロワー10万って……これ本当なの?バグ?」
唯は興味津々に、私に詰め寄ってきた。
「本当だよ」
私がサラリと言うと
「うわーまじかーすごいを通り越して、エグいだよ!」
唯は大げさに叫んだ。
「ひなには素敵な彼氏がいて、フォロワー数も半端なくて、幸せ者だな〜この、この〜」
唯が私の腕をつついてくる。
「私は唯が羨ましいよ」
「え!?なんで?私のどこが?」
唯は目を見開いて驚いた。
「だって、いつも最新のブランドの物持ってるでしょ?ほらこのポーチだって」
唯の机に置いてあったポーチに手を伸ばす。
「あぁ、それは先週の土曜に買ったやつだね」
「私なんかお小遣いが少ないから、なかなかブランドもの買えないんだよね。だから、私は唯が羨ましい」
私たちはお互いに顔を見合わせて笑った。
変わらない日常。
何気ない青春の1ページ。
この幸せな時間を守るため、ピラミッドの頂点に立つために、私は誰も知らない努力をしている。
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