しゃぼん玉、割れた。

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◇ 放課後、待ち合わせのコーヒーショップへ急いで向かう。 待たせているのはもちろん、彼氏の東雲拓海(しののめたくみ)だ。 拓海はK高の深緑色の制服を着て、窓際の二人席に座っていた。 「ごめん、待った?」 「大丈夫だよ」 拓海は柔和な笑みを浮かべた。 「新作のフラッペチーノ買っといたから」 そう言って拓海はテーブルに置かれた2つのフラッペチーノを指差した。 今日発売の黒蜜きな粉と抹茶味だ。 「仕事が早いね。いつも助かるよ。じゃあ始めようか」 私はリュックからスマホを取り出し、カメラアプリを起動させる。 フラッペチーノと私と拓海のツーショット。 一番インスタ映えするアングルを吟味にしながら、シャッターを切っていく。
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