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満足のいく写真を撮り終えて、ようやく拓海はフラッペチーノを食べ始めた。
私は撮った写真を確認する。
「ひなは食べないの?フラッペ」
「食べないよ。私が甘いもの嫌いなの、知ってるでしょ」
私はフラッペチーノに目を向けず、拓海のほうにもう一つのフラッペチーノを押しやる。
「ありがとう。ひなは優しいね」
「いつものことじゃん」
「そういえば、今日、メイクの雰囲気変えた?」
「分かる?」
「分かるよ。好きな子の変化だもん」
拓海は整った口の端を上げた。
私は深くため息をついて、精一杯の嫌悪を見せる。
「そういうの必要ないから」
「相変わらずひなは、ツレないなぁー」
ヘラヘラと笑いながら、拓海は2つのフラッペチーノを、あっという間に平らげた。
これだけ糖分を取っていて、モデル並みのスタイルをしているから憎たらしい。
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