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「どうしたの?ひな、そこあんたの席でしょ。座んなよ」
その言葉を聞いて再び凍りつく。
唯はこんな言葉遣いをする子じゃない。
唯は今までに見たことのない、冷たい微笑みを浮かべていた。
「唯……どうして……?」
「名前で呼ばないでよっ!気色悪い!」
唯は鬼の形相で叫んだ。
クラスメイトたちは、唯が叫ぶことを知っていたかのように、驚いた素振りを見せなかった。
「タイムライン、見なかったの?」
唯がスマホを私に突きつけた。
画面は、『宮城ひなは、金で彼氏を雇っている。』という文章と、青空公園で私が拓海にお札を渡している画像だった。
「金で彼氏を雇っているとか、まじで幻滅するわ」
唯は吐き捨てるようにいうと、私の側から離れていった。
私はその場にへたり込む。
呼吸がうまくできない。
──なぜ?どうして?
手足が痺れる。
過呼吸だ。
──青空公園はこの高校から1時間半も掛かる場所にあるのに……
──絶対に誰にもバレないと思っていたのに……
脳裏に浮かんだのは、小学生時代の私だった。
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