0人が本棚に入れています
本棚に追加
次の瞬間、僕らの間にもう一人の人影が写り込んだ。
「ねえ、聡美さん。二次会カラオケだって。行きます?」
総務の石橋さんが、キャメル色のスカートと肩に乗せた巻き髪を弾ませてそう言った。渋っていた聡美さんを遮って、
「僕、行きます」
「珍しいね、折原クン」
「……じゃあ、あたしも行くよ」
上司の酒癖の悪さを愚痴り始めた石橋さんの脇を抜けて、僕はトイレを後にした。
最初のコメントを投稿しよう!