5 彼女の嘘-2

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なんだっけ、これ。 耳を傾けてみても、その曲に思い出なんてものはなにもない。 けれど、画面に映し出される歌詞が、今の僕の心境にこれでもかと言うほど重なって、僕は瞬きをすることも忘れて、歌詞を追い続けた。 壊れそうな恋心を紡いだ歌詞が僕の心に鋭く突き刺さってきて、最後まで聞いていられなかった。 僕はトイレに立つ振りをしてうつむき気味に席を立った。
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