7 彼女の覚悟

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「ううん、寒いから良い」 あ。 じゃ、やっぱり、外が暖かったら開けるんだ。 ちょっとショック。 何の変哲もないベッドと古ぼけたタンス。 そしてその奥にあるのは、一時期ハマっていたフライトシミュレーターゲームのために作ったコックピット風な、僕の特等席。 瀬奈の表情を見るのが、とてつもなく怖い。 「座っても良い?」 「……え、あ、うん」 良いけど、きっとそこは僕の汗だけじゃなくて、きっとあいつらの汗も染み付いているから、相当、やばいんじゃないかと思うのだが。 「すごーい、本物みたい!」 僕の心配をよそに、無邪気に喜んでいる瀬奈。 やっぱりイイ子だ。
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