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生きていくには何の役にも立たない有り余るほどの豊富な知識を、僕は思わず君に向かって泡を飛ばしてまくし立てたくなるではないか。
「こういうの、好きなんだね。あきら君」
さすがに僕の自慢のこいつらの前では嘘はつけない。
「好き。ときめく……とか言うと気持ち悪いかもしれないけど。こういうのを夢中でいじってる時が、一番しあわせ」
まずい、ついつい早口になってしまう。
でも、こだわったとことか、完成度とか自慢し合えるあいつらがいて、僕は、結構、しあわせにやって来たのだ。
はた目にはどう見えるかわからないけれど。
宇宙飛行士になりたくて、次にパイロットにあこがれた。
けれど、僕の努力云々以前に、視力の問題で、僕は不適合者なのだと知ってから今まで、ずっとあこがれて来たのだ。
働いて得た金で、僕はそれ風ではあるけれど、大好きなものを手に入れたのだ。
そんな僕が、不幸であるはずがない。
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