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「何買って来たの」
僕は雅也の足元に置いた紙袋を覗いた。
相変わらずアイドルグッズでも大量購入しているのかと思いきや、袋の中身は洋服だった。
しかも、セレクトショップの物。
「なにこれ」
「洋服だよ」
そんなことはわかっている。
お前がこれを着てどこに行くというのだ。
「こ、今度、会う時に着て来てって言われて……」
「誰に」
「誰って……だからさっき言ったのに、涼介が勝手に電話切るから……」
雅也は市役所にアルバイトに来ていた女の子と仲良くなり、彼女に買い物を付き合ってもらって、それからバイト先のメイド喫茶まで送って来たのだと言った。
「うける」
結局金づるじゃん。
またか、と、誰もがそう思った。
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