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けれど、
「待って。ぼく、今回は客じゃないよ……と、友達なんだ。彼女とは」
胸を張って雅也がそう言うので、また誰かが、うける、と言った。
それでも、なんだろうこの心が染みる感じ。
「でかした!」
酔っぱらい始めた涼介が立ち上がって、雅也と握手を交わしている。
それから、僕と涼介が義理の兄弟になったことを報告して、二人を仰天させた後、瀬奈が美人局でもエンコ―でもなかったということを話した。
そして、今は彼女持ちであることを、控えめにではあるが自慢してやった。
ぐたぐたに酔っぱらった涼介を後部座席に詰め込んで、その隣には雅也が乗り込んだ。
さっきからお友達の彼女とラインばかりしてにやついている。
まるでいつかの僕のようだ。
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