7 彼女の覚悟-2

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そして、助手席には健斗が座った。 「ああ、そうだ。これあげる」 健斗はカバンの中から何かが大量に入っているビニール袋を取り出してそれを僕にくれた。 一番必要そうだから、そう言った。 「何、これ」 「俺がデザインを担当した販促品。キャンペーン用に作ったんだけど、期限切れだからもう配布できないんだ、だからあげる。中身はまだ使えるよ」 へえー、と言ってそれを目に近づけて僕はびびった。 それはピンクと黄色の派手な柄の小袋に梱包された避妊具だった。 「俺さ、この仕事天職だと思う。楽しくて仕方がない」 そうか、そう思うとこの四人の中でこれが一番必要なのは僕なんだろうな。 雅也にはまだ勿体なくて渡せないし。 小岩で雅也を降ろして、本八幡で健斗を降ろした。 時計を見ると、もうすぐ二時になる。 さすがに眠い。
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