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明日も仕事だなんて、思い出したくもない。
そう思って大きなあくびをした瞬間、ズボンのポケットに入れっぱなしだったスマホが振動して、僕は車を寄せた。
『あきら君……』
瀬奈だった。
「どうしたの!なんかあったの!」
彼女の声を聴いただけで、それだけで僕は半泣きだ。
こんな時間に電話なんて、何かあったに違いない。
後部座席で、気持ちよさそうにいびきをかいていた涼介も僕の悲痛な声に飛び起きる。
「なんだよ、どうしたんだよ」
まりなに何かあったと思ったのだろう。
後ろから身を乗り出して、涼介が僕の顔を覗き込んでくる。
『うちの近くのコンビニにいるの、迎えに来て欲しい』
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