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その週の土曜日の夜。
まりなを迎えに涼介が来た。
挨拶をしてもそっぽを向いたままの父に心を折られ、仕事から帰って来たばかりの僕の部屋に、あっけなく逃げてきた。
「やべえよ、やっぱめちゃめちゃ怒ってんじゃん……」
「まあ、当然の風当たりだろうな」
「俺、嫌われてる?レベル的に言ったらどの程度?」
「マックスだ、とは自分で思わないの」
「ああ、まじか……だよな……」
相変わらずむさくるしい髪を掻きあげて、それをめちゃくちゃに掻き毟る。
いつも強気なこいつをここまで弱らせた父のシカト。父、恐るべし。
「何やってんの」
まりながノックもせずに僕の部屋に顔を出した。
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