7 彼女の覚悟-2

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もうすでに父は涼介を許している。 まりなの事ばかり考えて来た甘い父の事だから、きっと彼女の思い通りにさせてあげたい、そんな気持ちでいるのだろう。 けれど笑って送り出してあげられないのは、もう少し一緒に居たかったという、父の引き際を見失ったわがままなのかもしれない。 それを引き離してやらないと、父もまりなも不幸になる。 空気の張りつめたリビングに、僕は何かに突き動かされるようにして飛び出した。 そして、トレーナーの裾もめくれ上がったまま土下座をした。 「許してやってください。お願いします」 僕を突き動かしたのは、きっと母だ。 彼女が生きていて今ここにいたとしたら、きっとこうしたかったに違いない。 まりなが頬を拭ったのが見えた。 「……もう、いい。早く行け」 父はそう言って席を立つと、涼介の肩を一度しっかり握って、それからトイレに入ってしばらく出てこなかった。
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