1 彼女の体温

16/24
前へ
/24ページ
次へ
僕は嬉しくなった。 女子高生にウケたからだけではない。 彼女の笑い声が耳に馴染んで、とても心地良かったのだ。 じゃあ、とそのまま手を振って、 瀬奈はバスに乗り込んだ。 「イッテラッシャイ」 動き出したバスの窓越しに、 瀬奈が唇だけで僕にそう伝えてきた。 僕は、今日、死ぬのかもしれない。 そう軽く確信できてしまうほどの、 衝撃的な瀬奈との出会いだった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加