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事務所に入って開口一番、
僕の三年上の先輩、聡美さんが言った。
「なあに、さっきの女子高生?通勤途中にナンパなんて、ずいぶん出世したね」
フロア全体に聞こえるほどの大声を出したので、
僕は耳まで真っ赤になった。
うちの事務所の窓からはロータリーが良く見える。
僕と彼女の様子もきっと丸見えだったのだろう。
「ち、違いますよ、困ってたところをちょっと助けたら、
とても喜んでくれたってだけですよ」
「わかってるよ!あんなかわいい女子高生が、
わざわざしがない地味なサラリーマンなんぞ
選ばないでしょう」
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