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キーボードを打つ手が止まり、
僕の目は画面の奥の一点を見つめ始める。
そこには、瀬奈がいる。
僕は、どうしたら良いのかわからなくなる。
「仕事しろ!ほら、電話!」
隣に座る聡美さんのどすのきいた低い声が響いて、
後頭部をはたかれる。
そしてすぐに1オクターブ高い声で、
「賃貸営業部、川嶋でございます」
そう電話を取るのだ。
まずい、まずい。
杉にやられ、
瀬奈にやられ、
このままじゃ僕は本当に死んでしまう。
僕は必死になって瀬奈の笑顔を胸の奥の奥にしまい込んだ。
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