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僕の前にはドアを背にして僕と向かい合わせになる形で、モスグリーンの制服に身を包んだ女子高生がひとり立っていた。
船橋で乗り込んで来たのか。
うつむいているから顔はわからなかったが、この髪の感じは好きだ。
セミロングの黒髪に白い艶。
そう思った途端、さらにくしゃみが襲う。そして尋常じゃない目のかゆみ。
ああ、だめだ。
今日はだめだ。
僕はもう観念して、両手でつり革に捕まるとうなだれて、目を閉じて悟りを開くことにした。
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