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Tango Down
嘘だろ。
ちょっと待ってくれよ。
僕は美紗の前に跪いて頭を抱えた。
悪いのは彼女の方だというのに、どうして無様に見えるのはいつも僕なんだ。
美紗の浮気癖は今に始まったことじゃない。
これまでも、何度も僕は泣かされて来た。
僕の嫉妬心を煽り、宥めては泣いて、身体を絡ませる。
辟易とした僕の胸倉を掴んで、愛らしく微笑む、そんな女だった。
それでも、僕と一生を誓うと、君が約束したのはたった三年前だ。
「どうして美紗は……」
「晋弥君、ごめんね」
包み込むようにして、僕を縛る。
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