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ゆっくりと布団をはがした美紗は、濡れた髪をかきあげて、僕の首筋に重ねるように何度もキスをしてきた。
「……ごめんね」
必死でせき止めている欲情を、美紗は力づくでこじ開けて僕を誘いだす。
呼吸が荒くなってゆく僕をたしなめるようにして、僕の上に馬乗りになると、満たされたような笑顔を浮かべて僕を見下ろしてくる。
それもいつものことだ。
僕に自由は、ない。
それでもいい。
君が僕のものでいてくれるなら、今の僕はそれだけでいいんだ。
とろけてしまいそうになりながら、僕は必死に薄目を開けて汗ばんで揺れている美紗を見た。
ようやく手に入れた僕の宝物だ。
そう簡単に手放してたまるか。
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