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美紗の気配を感じて身体を丸めて小さくなると、その中に埋もれるようにして目を閉じた。
「もう寝ちゃった?」
濡れた髪のままの美紗が、僕に近づいて身体を摺り寄せてくる。
とてもそんな気になんかなれない。
今日はもう疲れたんだ。
全部、君のせいじゃないか。
アルバイトを始めたいと言った時、僕にはすでに嫌な予感があった。
すぐに予感は的中して、数か月後、僕のスマートフォンに『母親』を名乗る女性から突然電話がかかって来た。
途切れ途切れの内容に戸惑う僕に、彼女は、持っている怒りのすべてを最初から全力でぶつけてきた。
「まだ十八なんですよ!」
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