Tango Down

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「ご主人、高校の先生をされているんですってね?」 不安が過る。 僕は高校で化学を教えているが、どこでそんな情報を知り得たのだろう。 「うちの子供に近づかないように、奥様にお伝えください。またこんなことがあったら、その時は通報させていただきますので」 一方的にそう言うと電話は切れた。 男が出来たような予感は、あった。 でもそれが僕の教え子と変わらない子供だとは思いもせず、僕はその場にしゃがみこみ、吐き気も伴うような激しい嫌悪感に、しばらく立ち上がることが出来なかった。 「一緒に入ってる子ね、かわいいんだよぉ」     
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