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僕と美紗のベッドの上に知らない男がいて、僕の妻と生殖行為に没頭していた。
快楽に身をよじらせた美紗の身体に、黒く引き締まった腕が絡みついている。
たくさんの理由をつけて、それがないと僕の行為は成り立たなかった。
脈略もなく、唐突に、欲しいからと言って、美紗を抱くことは、僕にはできなかった。
それが恋なのだとしたら、美紗の僕への恋心は、とっくに朽ちている。
でも、僕はどこかでそれを気が付いていたはずだ。
ふすまの裏に立ち尽くしていた僕を見つけた美紗が驚いて急に悲鳴を上げた。
「ごめん……」
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