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ノアちゃんの姿が見えなくなり、私の呼吸も整う。
すると、去ったノアちゃんと入れ替わるようにヴィオラ ──こちらはちゃんと制服を着ている── がやってきた。
「Buon giorno.何やら大変な事になっておりますね。」
「・・・そうだね。でもノアちゃん達が何とかしてくれるみたいだから、大丈夫だと思う。」
「ふふ、そうですね。彼女達に任せておけば問題は無いでしょう。このような現象は、私達のような一般人では到底何とも出来ませんから。」
貴方は一般人じゃないでしょ、と言いたくなるのを堪えて、私達は部室へ向かう事にする。
暫く経つと他の、何も事情を知らない部員達がやってくる。
案の定空の話題で持ち切りになっていたし、万が一の事があってはならないからと休んだ部員も居るようだ。
それでも、居る部員達で滞りなく部活動は進められる。
そして、部活はいつも通り終わる。
ノアちゃん達はどうだろう、上手くやっているだろうか。
そう思って、閉められたカーテンと窓を開ける。
窓の外に顔を出して、空を見上げた。
「・・・あ」
その瞬間、口をついて出たその一音。
空は、いつも通りの澄み切った青色に戻っていた。
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