オタクが好きなものを喋る時のあれ

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「見たいですか」 「見たい」 今すぐその鉄壁のスーツを脱いで、白い陶器の肌とそこに歪に似合う下着を見せて欲しい。 松下は吉野がこの場でストリップでもして見せてくれるのかと期待に満ちていたが吉野はそんなことは思っていなかったらしい。 ベットから立ち上がると、横の備え付けクローゼットまで行って開いた。 そこからよいしょと何やら重そうな収納箱を両手で抱えてベットまで戻ってきた。 吉野はまたベットに上がると、黙ってその箱を開ける。そこには色とりどりの女性用下着が綺麗に詰められていた。 「先週のはこれです」 1番上にあった見たことあるものを取り上げ広げる。まさに松下が見たいと思ったのはこれだ。だが、そうではない。単体ではなく吉野が身に付けていることに意味がある。 しかもこいつは使用したものを堂々と見せるのか。なんとなーくより生々しく見える。 「これ、いいですよね。俺の人気トップ5には入るデザインと着心地です。」 「お前、ブラも普段着けてんの?」 「それが着けたいんですけどだめなんです。女性用下着はあくまで女性用なので男が着ると肩幅とか胸と胸の間隔が広すぎてサイズが合わないんです。でも家では少し着てみたりもします」 へー、またつまらぬものを知ってしまった。それに普段着けたいのね、それ。 吉野は本当に残念そうにブラについて話した。 てか、着てどうするんだ?どこに満足する要素がある? 「ほら、例えば小さい女の子がプリンセスのドレスに憧れるじゃないですか。それです。別に自分似合ってるとかではなく、憧れのものに着れたという満足感です」 「憧れてたのか」 「はい、それはもう。こんなに女性が履いているものは綺麗なんだって、男は地味だなと思ってて。中学生くらいから憧れていました」 そんな前からなのか。まぁ確かに男は地味だが、なんかプレイ用のとかだったらあるだろ。 「男でもあるぞ、そういうの」 「えっ!!そうなんですか!?」 声がでかい。 「いや、プレイ用とか女装用とかで」 どうやら吉野は知らなかったらしい。なんだ男でもあったのか。でもプレイ用とは?となんだか色々驚いているらしい。 まぁこいつノンケだしそんなこと知らないよなー。 「でも女装用は嫌です。別に女装している訳ではないので」 吉野は急に真面目な顔をした。これだけは誤解して欲しくはないと。
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