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「俺は女性になりたいわけではないですし、コスプレみたいなものを履きたいわけではないんです。普段女性が履いているものや綺麗になりたいと思って買っているそういう下着が良いんです」
これだけは間違えてはいけないらしい。本当に趣味なんだ。
「そうか、分かった。
でも、お前が履いているのは似合ってたよ」
「あ、ありがとうごさいます。男だけど似合ってましたか?」
「ああ、まぁ今思うと前とか心許なくないか?」
「始めはそうでしたけど、もう慣れました」
吉野は褒められて少しはにかんだ。
聞くにもう随分と前から履いているらしい。学生時代にバイトでためたお金で1番買いたかったものを買ったのが始たりだとか。高校3年で無事に進路が決まってからバイトをし始めたというから驚いた。
親がいたけどどうしても見ているだけじゃ足りなくて、履いた後は自分で洗濯をしていたという。
松下は吉野の下着歴を聞いていたが目の前にある箱が気になって仕方なかった。話は勿論しっかり聞いている。だが、それでもだ。
ここで履いているところが見たいと言ったら吉野は怒るだろうか。
このまま丁寧に話を進めていけば大丈夫だろうか。
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