考えない。それもあり、、、

2/4
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
よし、これから帰ってそれから、、、 昼前に会社を出て丸中製作所に行った吉野。丸中製作所は主に家具を作っている。そこにうちの会社名で何か作れないかと話し合っていた。 あちらの担当の方は関西出身だとかで話が上手いので、予定していたよりも長居してしまい、昼の時間を逃した。 店に入るのも面倒だし、会社で食べるのもちょっとな、、、 会社のみんな自分の業務に戻っているだろう。 そこでコンビニに寄って弁当とお茶を買い、車に乗ってそのまま駐車場で食べた。 この感じ好きだな。平日で他の学校は授業をしているのに自分達はない感じ。晴れていて現実味があまりないのがまた良い。 そんなことを思いながら弁当の味など気にすることなく黙々と食べた。 ゆっくりとお茶で口の中の味を無くし、ゴミを捨て、会社に戻る。 会社に入ると車の中とは違い、いつもの様子に現実に戻された。 「あ、吉野さん。この資料確認してもらっても良いですか?」 部屋に入ると部下の若尾が特に慌てた様子もなく近付いてきた。 「ん、分かった。いつまで?」 「明日いっぱいまででお願いします」 分かった。といって自分の席に着く。 若尾は熱を出した例の奴だ。直属の部下ということもあり年下の奴らの中で一番喋ることが多い。 好青年のイメージでこちらも信頼して仕事を振れる。 「どうだった、丸中製作所さんの方は」 座ると直ぐに松下部長が話しかけてきた。 吉野が丸中製作所に行っていたことは壁に貼ってあるホワイトボードでみんなが知ることができる。 「はい、順調でした。名乃屋さんと話が弾んで少し遅くなりましたが、特に問題はないそうでした」 名乃屋(なのや)は担当の関西人。 この共同製作は会社の20周年を記念して作られるもので、松下部長とあちらの社長は年が離れているが気が合うらしく、丸中製作所を共同製作をする会社として上げたのは松下部長だった。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!